第45章

稻垣栄作は高い位置から彼女を見下ろしていた。

彼女の小さな鼻翼が震える様子を、そして次第に快楽に溺れていく姿を。

上手くやれば、彼女は思わず彼の肩を抱き寄せ、彼の首筋で小さく息を漏らす……そんな陶酔の瞬間だけが、彼女の小さな顔から冷淡さを取り去り、鮮やかに生き生きとさせるのだ。

まるで、かつての高橋遥が戻ってきたかのように!

稻垣栄作は身を低くして彼女にキスをした。特別に気持ちが高ぶっていた。

……

稻垣栄作は長らく欲求を満たせずにいたため、三回続けてようやく少し満足した。

二人の体は汗ばんでいた。

静かに抱き合いながら、情欲の波が収まるのを待った。

しばらくして、高橋遥が...

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